漫画『認知症の人、その本当の気持ち』読んだ感想【ネタバレあり】認知症の人が伝えたい事とは…?

今回紹介する『認知症の人、その本当の気持ち 意味わからん行動にも理由がある』は、長年認知症の方々に寄り添い続けた現役介護士の記録をまとめたコミックエッセイ!

認知症の人から見た世界について考え、解決策を模索していく介護士たちの物語です。一見意味が分からない行動でも、一人一人に理由があって…。

小桃
読めば読むほど介護士の方々の苦労と努力に頭が下がります!

 

【認知症の人、その本当の気持ち 意味わからん行動にも理由がある】基本情報

国内最大級の漫画・電子書籍ストア【コミックシーモア】※商品リンク有り※許可が下りていないメディアでの掲載は厳禁※

作者たっつん / 北川なつ
ジャンル女性漫画
出版社KADOKAWA
レーベルLScomic

漫画『認知症の人、その本当の気持ち 意味わからん行動にも理由がある』は、Xで7万人近いフォロワーを誇る現役介護士・たっつん先生が描いた書籍をコミカライズ化!

小桃
実話を元にした、認知症の方々と介護士による心温まるエピソードが詰まっています。

認知症の方の行動は一見意味がないように思えますが、発症する前の生活からヒントを得て、少しでも希望を叶えようとする介護士の方々に脱帽!

クスっと笑えるだけでなく、介護の苦労を和らげるヒントが詰まっているので、現役介護士の方や在宅介護中の方には特に読んで欲しい一冊となっています!

 

【認知症の人、その本当の気持ち 意味わからん行動にも理由がある】どんな物語?

やりがいを教えてくれた人

新人介護士のたっつんは、勤務先の施設で下半身麻痺がありほとんど動けない松風さんという老人に出会います。

松風さんは退院直後に施設への入所が決まり、環境の変化に納得できていないようでした。

何とか入所させたものの、松風さんは全ての介護を拒否し3日間過ごす羽目に。

4日目の夜勤に当たったたっつんは持参したスポーツドリンクを見せると、松風さんの前で美味しそうに飲み干すという荒業を行使します。

破天荒な彼に心を開いた松風さんはこの日から介護を受け入れてくれるようになり、たっつんにとって忘れられない人となりました。

それぞれのルール

他にも、夕方になると家に帰りたがる足立さんの気持ちに寄り添い、一緒に散歩に行く事で彼女の本音に気付いたたっつん。

元気な頃に家族のために夕食作りをしていた足立さんに施設の食事の準備を任せた事で、彼女の奇行は治まっていきました。

他にも、夜な夜なおかしな恰好で徘徊を繰り返す三輪さんが、かつて事務作業を完璧にこなしていたと知ったたっつんは、彼女に仕事を与える事に。

毎日同じ作業を繰り返す事で、三輪さんの奇行は治まっていき…。

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【認知症の人、その本当の気持ち 意味わからん行動にも理由がある】見どころをご紹介

ここからは、この作品の見どころ「認知症の人が見る世界」「認知症の方と介護士のほっこりエピソードが面白い」について、詳しくご紹介します。

認知症の人が見る世界

普通に生活している人にとって、認知症の方々の行動は意味不明なものばかり。

しかし、彼らがかつてどんな生活をしていたのかを探る事で、謎を解いていく展開に度肝を抜かれました!

面倒だと遠ざけるのではなく、少しでも認知症の方々に寄り添い希望を叶えようとする介護士に感動してしまいます!

認知症の方と介護士のほっこりエピソードが面白い

介護に携わった事のある方なら共感できるような、クスっと笑えるエピソードが詰まっており面白い内容となっています。

優しいイラストと文章で描かれたエピソードには、困りごとを解決に導くヒントが盛りだくさん。

介護には楽しい事よりも辛い事の方が多いと思いますが、心が折れそうになっている方にも是非読んでいただきたい一冊です!

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【認知症の人、その本当の気持ち 意味わからん行動にも理由がある】を読んだ感想

ベテラン介護士の記録

小桃
現役介護士が経験した認知症の方との関り方について詳しくまとめられており、とても勉強になりました!

作者のたっつん先生は、介護士歴20年のうち17年間も介護部長をされている超ベテラン。

経験豊富なたっつん先生だけあって、現在介護中の方にはとても参考になる作品だと感じます。

たっつん先生を始め他の介護士の方々からは、入所者の方に少しでも快適に過ごしてもらおうという想いが伝わり、もし身内が入所するならこんな介護士がいる施設がいいなと感じました!

その行動には理由がある

作中のエピソードは様々で、認知症の方にはそれぞれこだわりがあります。

一見何の意味もない行動に見えても、彼らの過去を探ると生活習慣から規則的な行動を取っていたり、働いていた時のようにやりがいを見つけようとしていたり…。

前と同じような生活をさせる事で症状が落ち着く事もあると分かり、目から鱗でした!

特に印象深かったのは、夜中になると自分のうんちを渡そうとしてくる内藤さんの事。

いくら介護士でも他人のうんちを触るのには抵抗がありますし、どうしてそんな行動をするのかなんて見当もつかないでしょう。

しかし、内藤さんの行動には意味があると確信し、ヒントを探るために居室へ向かうたっつん先生に脱帽!

うんちを渡す行動の真相は予想外でしたが、面倒だと遠ざけるのではなく、入所者に寄り添うたっつん先生の優しさに胸が熱くなりました!

介護士と入所者の絆

時にはたっつん先生一人では解決できない問題もあり、他の介護士と協力し困難を乗り越える姿に感動。

入浴を怖がる入所者に対しても、皆で情報を共有し解決していく姿が素敵で、信頼し合っているからこそできる業だと感じました!

また、意味不明な行動を繰り返していた認知症の方々が、介護士に理解してもらえた事によって穏やかな表情に代わり、問題行動が治まっていくというのも印象的。

以前のように過ごしたくてもできない事への不安や葛藤から問題行動に発展するのだと思いますが、理由を知る事で安心できる環境を作っていく事が大切だと気付かされました。

この本にはXの投稿の中でも特に反響が大きかったものがまとめられているそうですが、たっつん先生のXでは現在も有益な情報が発信されているので、今後も覗いていきたいと思います!

 

まとめ

『認知症の人、その本当の気持ち 意味わからん行動にも理由がある』について紹介しました。

認知症の方々に触れ、少しでも過ごしやすい環境を整えようと模索するたっつん。

一見意味不明な行動に見えても、その全てに理由がありました。

介護に携わる全ての方に読んでいただきたい作品です!