今回は『アマーリエと悪食公爵~孤独な令嬢は心のすべてを食べられたい~』を読んだので、その感想や見どころをご紹介します!
病弱な妹ばかりを優先する家族に負の感情を抱くアマーリエが、人の感情を食べてくれる悪食公爵・サディアスと出会い心を通わせていく物語です。
両親の期待に応えようと、自我を押し殺して模範的な娘を演じてきたアマーリエ。似た者同士のアマーリエとサディアスの恋の行方が気になります!
『アマーリエと悪食公爵~孤独な令嬢は心のすべてを食べられたい~』どんな作品?
| 作者 | 折尾りお / 散茶 / みつなり都 |
| ジャンル | 少女漫画 |
| 出版社 | 風濤社(futohsha) |
| レーベル | Eylie |
基本情報
父の“ある一言”で限界を迎えたアマーリエが、藁にも縋る想いでサディアスの屋敷を訪ねる姿に涙…。
噂だけが一人歩きし無理が祟り身体を壊してしまったサディアスの姿は、アマーリエと共通するものがありますね。
他人のために我慢しがちな二人の交流に癒されます!
Story ~ あらすじ ~
アドラー伯爵家の長女・アマーリエは、両親の期待に応えようと模範的な令嬢として振舞ってきた女の子。
家族は病弱な妹・オルヴィアばかりを優先し、幼い頃からアマーリエの願いが聞き入れられる事はありませんでした。
不自由な生活に嫌気がさしたオルヴィアは一刻も早く結婚し家を出ようと考えますが、夜会に参加したオルヴィアが王子に見初められ、次期王妃の座はほぼ確実に。
伯爵家を継ぐために婿を取るよう命じられたアマーリエは絶望し、家族に対して憎しみの感情を抱くようになります。
限界を迎えたアマーリエは、負の感情が大好物の悪食公爵・サディアスを訪ね心の全てを食べてもらおうと考えて…。
おススメポイントをご紹介!
この作品の見どころを3つ厳選してご紹介します。
- アマーリエの葛藤
- サディアスの事情
- アマーリエの未来
それぞれ解説していきますね♪
見どころ①:アマーリエの葛藤
幼い頃から我慢を強いられてきたアマーリエが、父の心無い一言で限界を迎えてしまう姿に共感。
少しでも両親の期待に応えようと振舞ってきただけなのに、全てを否定され絶望するアマーリエの姿に胸が痛む展開となっています。
仲良し家族ならばこんな苦労をする事はないのでしょうけど、この家族の場合はアマーリエを犠牲にして体裁を保っているようなもの。
血の繋がりがあるせいで絶縁は難しいと思いますが、アマーリエがどう向き合っていくのか気になってしまいます!
見どころ②:サディアスの事情
“悪食公爵”と言われ、負の感情が大好物だとか、乙女の心を丸呑みするのが好きなどと身勝手な噂を流され苦しみ続けてきたサディアス。
責任感の強さ故に身体を壊してまで期待に応えようとするあたり、アマーリエと似た者同士のように感じます。
無理が祟って不健康な身体になってしまったサディアスが、アマーリエの優しさに触れ蘇るシーンは圧巻。
見どころ③:アマーリエの未来
オルヴィアが王子に見初められたせいで、伯爵家を継ぐよう命じられたアマーリエがどんな決断を下すのかも気になるところ。
心無い言葉を吐きながら、またもアマーリエを犠牲にしようとする父に腹が立ちます。
アマーリエはこの先も犠牲になり続けるのか、それとも自分らしく生きるために伯爵家と決別するのか…。
彼女の下す決断が気になります!
『アマーリエと悪食公爵』読んだ感想・レビュー
ここからは、物語の感想をご紹介します。※ネタバレ要素を含みますので、未読の方はご注意ください。
歪な家族
家族のために犠牲になり続けた主人公が、同じ境遇に苦しむ悪食公爵と出会い心を通わせていく展開に引き込まれました!
主人公のアマーリエは、病弱な妹のために幼い頃から我慢を強いられてきた女の子。
ほんの少しの我儘さえも許してもらえず、全てを否定され続けるアマーリエが可哀想で胸が痛みます。
オルヴィアを溺愛しながらアマーリエには厳しく接する父親にも腹が立ちますが、そんな父親の言いなりで娘を守ろうともしない母親にもイライラ…。
唯一妹だけはアマーリエを慕っているものの、オルヴィアが全ての元凶だと思うと憎んでしまう気持ちも理解できました。
理不尽な仕打ち
アマーリエがこの家から逃れるためには結婚しかなく、一刻も早く伴侶を見つけ出ていこうと思っていたのに。
オルヴィアが王子に見初められたせいで、またも家に囚われてしまうアマーリエが不憫すぎます。
これまで散々貢献してきたアマーリエの努力を褒める事なく、またもオルヴィアの犠牲にしようとする父親には呆れてしまいますね。
伯爵家から逃れられず追い込まれたアマーリエが、藁にも縋る思いで悪食公爵を訪ねる姿にいたたまれなくなりました…。
似た者同士
実際に対面したサディアスは噂に聞くような恐ろしい人ではなく、人々を失望させないために身を削って使命を果たしてきた誠実な青年。
孤独と絶望を抱えた二人が出会い、優しさに触れながら人間らしさを取り戻していく展開に引き込まれます。
本当は優しい感情が大好物のサディアスがアマーリエの感情を食べ、明るさと精気がみなぎる姿に感動。
自分の事よりも他人を優先してしまう二人は似た者同士だと感じますが、不思議な出会いから始まった二人がどう心を通わせていくのか楽しみです!
登場人物の魅力について
アマーリエ・アドラー
アドラー伯爵家の長女で、この物語の主人公。
病弱な妹のために我慢を強いられ、家族から逃げ出そうと足掻く姿に胸が痛みます。
あと少しで逃げられると思っていたのに、またも妹の犠牲になりかけ絶望する姿に涙。
それでも家族を捨てられず、感情を失くしてまで耐えようとする姿が不憫で、何としても報われて欲しいと思ってしまいます。
サディアス・トラレス
由緒あるトラレス公爵家の当主で、人の感情を食べる事から“悪食公爵”と呼ばれる青年。
使命感が強く、負の感情ばかりを食べ続けてきたせいで身体を壊してしまうあたり、なんだかアマーリエと似ていますね。
それでも周囲の期待に応えようと頑張る姿が健気で、何だか可愛らしいと思えます。
アマーリエの優しさに触れ、笑顔を取り戻していく姿にほっこりしました!
オルヴィア・アドラー
アドラー伯爵家の次女で、アマーリエの妹。
病弱で両親の愛を一身に受けて育ってきた、世間知らずな可愛らしい女の子。
国一番の美少女と呼ばれ、王子を射止めるあたり流石ですね!
アマーリエを慕っていますが、自身の幸せが姉の犠牲の元で成り立っているという自覚はあるのでしょうか。
アドラー伯爵
アマーリエとオルヴィアの父。
病弱なオルヴィアを優先し、アマーリエに我慢を強いてきた理不尽な男性です。
アマーリエの苦労を労う事なく、今後もオルヴィアのために犠牲を強いる姿に唖然…。
きっとアマーリエに絶縁された時に、初めて自身の過ちに気付くのでしょうね。
アドラー伯爵夫人
アマーリエとオルヴィアの母。
アマーリエの苦悩に気付きながらも、夫の言いなりで何も言えず。
どんな時でもオルヴィア優先で、アマーリエの事など二の次の典型的な毒親だと感じます。
まとめ
『アマーリエと悪食公爵』について紹介しました。
病弱な妹を優先する両親の期待に応えるため、全てを捧げてきたアマーリエ。
妹が王子に見初められたせいで家族から逃れられず絶望したアマーリエは、心を食べてもらおうと“悪食公爵”を訪ねます。
孤独な二人が織りなす一風変わった恋物語をお楽しみください♪