漫画『紅さす小指に婚姻を』は、“いいところの嫁になる”ために奮闘する元華族令嬢が、伯爵華族の婚約者となるラブストーリー作品です。
悲惨すぎる主人公の生活に心苦しくなりますが、「自分の人生は自分で切り開く」と覚悟してからの成長に心打たれます!
漫画【紅さす小指に婚姻を】について
作者 | 山口恵(プロフ付) |
ジャンル | 女性漫画 |
出版社 | めちゃコミックオリジナル |
レーベル | 女の子のヒミツ |
『紅さす小指に婚姻を』は、大人気漫画「離縁いたしかねます」を執筆している漫画家“山口恵先生”の連載作品です。
大正時代を舞台にした今作品ですが、身分制度に翻弄されるキャラクターたちに感情移入してしまうストーリー展開が魅力!
だらしない両親の元で生活する道子は、「いいところへ嫁にいく」という条件で叔父の養子となります。そこから、自分のために生きる生活をしますが、そこで出会ったのが伯爵華族である栄人。
さっそく婚約することになりますが、そこで待っていたのは監視役を名乗る癖強めの弟・譲だったのです。
物語の登場人物
藤間 道子 | 没落華族の令嬢。だらしない両親と一緒に生活していたが、新田の名前を捨てて叔父の養女となる。“いいところの嫁になる”目標があるため、化粧を学んだり、女学校へ通ったりと、かなりの努力家。気が強いようにみえるが、健気さと純粋さをもっている。 |
葉山 栄人 | 伯爵華族の“葉山家”の次期当主。イケメンで優しいが、当主になるつもりも、嫁をもらうつもりもない。動物の仕事が大好きで、家を空けることも多い。 |
葉山 譲 | 栄人の弟。強面の容姿をもっており、性格も厳しい男。兄のことは尊敬しており、兄を次期当主にするためには、努力はおしまない。兄の婚約者となる道子の監視役。 |
【紅さす小指に婚姻を】1話~5話までのネタバレ感想
~ 1話から5話までのあらすじ ~
没落貴族の両親のもとに生まれた道子は、酒におぼれる父と、男とともに逃げた母との3人暮らし。だらしない両親に見切りをつけ、叔父の養女になりたい!と叔父の自宅を訪ねます。
養女になるための条件は「いい家柄の嫁となること」。この条件をクリアするために、女学校へ通うことになりました。女学校での最初の出会いは、伯爵華族である栄人。道子の境遇をきくと、「私と結婚しよう」とまさかの提案をうけます。
そこからは、とんとん拍子で婚約に向けての準備がはじまりますが、忙しい栄人の代わりに弟の譲が、道子の世話をしてくれます。そして、葉山家から出された婚約の条件は「1年以内に跡継ぎを産むこと」だったのです。
道子の境遇が悲惨
道子は、没落貴族の令嬢でしたが、今は平民同然の生活。だらしない両親は、お金がないのに酒におぼれ、母親は男と逃げる最悪の人です。
こんな境遇の中でも道子は芯が強く、自分の人生は自分で切り開いていく覚悟があります。だからこそ、自ら叔父へ交渉し、嫁の貰い手を見つけるために奮闘できるんですよね。
譲と栄人の兄弟
伯爵貴族の次期当主である栄人は、イケメンなうえに人格者。弟の譲も栄人のことを尊敬しているようですが、当の栄人は家を継ぐつもりも結婚するつもりもなし。
そんな栄人が道子に求婚したので、譲にとっては逃したくない獲物ですよね。
栄人は、道子に対しても優しく思いやりがあるため、どんどん惹かれていきます。でも健気で純粋な道子に、気づかず惹かれている譲にも切なくなります。
いつかは義姉になる道子に恋心を抱くなんて、先の見えない一方通行です…。
【紅さす小指に婚姻を】6話~10話までのネタバレ感想
~ 6話から10話までのあらすじ ~
栄人と同じベッドで夜をともにすることになった道子ですが、栄人に思惑がバレてしまっており、「親のいいなりになることはない」と教えてもらいます。
そのうえで、「道子のことは守る」と言ってもらいますが、なぜそこまで自分のことを考えてくれるのか、道子は理解できませんでした。
もしも婚約破棄されてしまったあとは、自分の力で生きていくことを夢見ている道子は、事業を起こすことを考えます。そして、譲に相談していますが、譲は「華族制度に頼らない道子」にどんどん惹かれていきます。
華族制度の中で揺れる譲と、華族制度に反対の栄人、そして華族制度に翻弄される道子の三角関係がはじまります。
道子がたくましい!
両親を捨てたあたりから、「自分の人生は自分で切り開く」という決意がにじみ出ていて、本当にたくましい女性に成長したと思います。
葉山家から婚約破棄されてしまえば、叔父への違約金は膨大なもの。その時のために、自分で事業を起こすなんて、普通の華族令嬢では思い浮かびません。
そんな道子に、口ではグチグチ文句の多い譲ですが、最後はしっかり協力してくれて、実は優しい男です。自分が道子に惹かれている自覚はないようですが、これから先どうなってしまうのでしょうか。
栄人の思惑
華族制度に翻弄される道子が、可哀想になって婚約を提案した栄人ですが、譲が道子に惹かれていることを知っているように思えます。
栄人のなかでは、葉山家を継ぐつもりもないし、自分の血をひく子供を作るつもりもない。だからこそ、そのまま譲と道子をくっつける作戦にでるのでは…と考えてしまいます。
【紅さす小指に婚姻を】最終回・結末の展開を徹底予想!
ここでは、【紅さす小指に婚姻を】最終回・結末を考察してみます。現時点で私が考えるラストは以下の通り。
- 譲と結婚することになる
- 華族制度廃止に向けて一歩!
それぞれ詳しく解説していきますね♪
譲と結婚することになる
栄人の婚約者である道子ですが、自分のことを考えてくれる譲に惹かれていきそうです。
今はまだ、栄人の優しさに揺れ動いているようですが、栄人の優しさと譲の優しさの違いに気づいたとき、譲を選んでくれると思います。
譲には許嫁がいるようですが、これは譲が男気を見せてくれて、どうにかしてほしいですよね。
華族制度廃止に向けて一歩!
栄人も譲も道子も、三人に共通していることは「華族制度に翻弄されている」こと。
身分制度のせいで、自分らしく生きられないことは、かなりツラい…。
だからこそ、葉山家の力をつかって、華族制度廃止に向けて動き出すと思います。
特に栄人は、「身分制度で苦しむ人をみたくない」という思いが強いため、自分の人生より社会のために生きていきそうです。
まとめ
だらしない両親との生活を続けてきた道子が、ついに自分の人生を自ら切り開いていくことを決意します!
そのためには、「いいところの家柄の嫁になる」のが絶対条件。伯爵華族に見初められるが、果たしてどんな婚約生活が待っているのでしょうか!